植込みデバイスのリード抜去症例の実態調査へのご協力のお願い

本邦において、ペースメーカ、植込み型除細動器、心臓再同期療法などのデバイス植込み術を受ける患者数は増加の一途をたどり、現在約30万人とされています。

多くの患者が植込みデバイスの恩恵にあずかっていますが、一方で植込み数の増加とともに問題となるのがデバイス感染の増加です。本体感染と同時に、長期間体内に留置されるリード遺残は、感染リスクを高めるだけでなく血栓症や血管閉塞リスクを高めるため、全システム抜去が勧められますが、強く癒着したリード抜去は極めて重篤な合併症を引き起こす懸念があり、適応も含めて安全なリード抜去は重要な臨床的な問題となっています。またリコールリードや不全リードの遺残も臨床的な問題として挙がっております。

2010年にエキシマレーザーを用いたリード抜去が保険収載され、これまで開胸を要した抜去困難例にも抜去が比較的安全に行われるようになり、今後経静脈リード抜去術は十分な知識と経験と技術を持った施設を中心に広がっていくことが予想されますが、我が国におけるリード抜去の適応や合併症の頻度は明らかとなっていません。

この度、学会主導での実態調査(Japan Lead extraction registry:J-LEXレジストリ)を企画することになりました。

運営は国立循環器病研究センターと日本不整脈心電学会の共同研究として行い、日本におけるリード抜去術の実態を、治療適応、患者背景が予後に与える影響を含めて調査し、我が国独自のエビデンスを確立することを目的としていますが、将来的には海外データベースとの比較を行うことも視野に入れています。

本レジストリに参加していただくことで現場の先生方には大きな負担をお掛けすることになりますが、日本の不整脈界の発展のために是非ご協力をお願いしたく思います。

平成30年7月13日

日本不整脈心電学会理事長
野上 昭彦
植込み型デバイス関連安全対策委員会委員長
草野 研吾