J-LEXについて

1.研究の背景

植込み型ペースメーカーはもとより、致死的不整脈に対する植込み型除細動器(ICD)も本邦に導入されて約20年が経過している。また両心室ペースメーカー(CRT)も広く認知され、薬剤抵抗性のQRS幅の広い心不全患者に対して臨床応用されている。これらデバイス治療の臨床的効果の認知度が広まり、デバイス手術件数は全国で年間6万件以上行われている。デバイス治療の恩恵を享受できる一方、リード断線やRecalled leadによる不適切作動症例、デバイス感染例などの報告もある。海外では数年前より従来開心術で抜去していた症例がレーザーシースなどを用いた新しい治療法で抜去されており、感染デバイス症例だけでなくRecalled ICD leadに対するリード抜去手術も報告されている。日本でも2010年からエキシマレーザーによるリード抜去手術が保険収載され、2015年からは非レーザーによるリード抜去デバイスも薬事承認された。今後、経静脈リード抜去手術は十分な知識と経験と技術を持った施設を中心にさらに広く実施されることが予想される。しかしながら、日本におけるリード抜去の適応や合併症の頻度などについての情報は一部の施設からの報告に限られており、日本のリアルワールドでの現状が把握されているとは言い難い。以上のことから、今後の適切なリード抜去手術の適応を考える上で、日本におけるリード抜去手術の実態を、治療適応、患者背景が予後に与える影響を含めて調査し、我が国独自のエビデンスを確立する必要がある。

2.研究の目的

リード抜去症例の実態を把握することにより、リード抜去手術の有効性・有益性・安全性およびリスクを明らかにすることを目的とする。

3.研究の対象

日本不整脈心電学会のリード抜去手術認定基準を満たす施設または、一定条件に適合する施設(※)にて、リード抜去手術を実施された症例

※一定の条件とは、

4.研究の方法

研究のデザイン

前向き観察研究

症例データの登録および追跡方法

症例データの登録は、Electronic Data Captureシステム(以下、EDC)の一つであるResearch Electronic Data Capture (REDCap®)を用いて行う。各研究協力施設の医師は、本研究に該当する患者の外来受診時あるいはリード抜去手術の施行時に対象者を登録する。登録された患者については、患者背景、リード抜去手術に関する項目に加え、退院時、術後30日の情報を入力する。術後30日経過時に院内にてフォローできなかった患者については、担当医および研究補助者が電話により患者の予後を確認する。

5.登録項目

性別、年齢、身長、体重、リード抜去手術の回数、抜去日時、抜去場所、抜去リードの植込み日、合併症等

6.登録予想症例数

約500例/年

7.研究期間

予定研究期間:倫理委員会承認日~2032年3月31日
症例登録期間:倫理委員会承認日~2028年7月31日

8.追跡期間

術後30日

9.研究体制

〈研究代表者〉
草野 研吾 国立循環器病研究センター 心臓血管内科部門不整脈科 部長

〈レジストリワーキンググループ〉
草野 研吾 国立循環器病研究センター 心臓血管内科部門不整脈科 部長
庄田 守男 東京女子医科大学 循環器内科 特任教授
合屋 雅彦 国立大学法人東京医科歯科大学 不整脈センター 副センター長
西井 伸洋 岡山大学病院 循環器内科先端循環器治療学講座 講師
今井 克彦 国立病院機構 呉医療センター 心臓センター部長・心臓血管外科科長
岡本 陽地 青藍会グループ あんの循環器内科 副院長
竹上 未紗 国立循環器病研究センター 予防医学・疫学情報部 室長

〈データセンター〉
宮本 恵宏 国立循環器病研究センター 循環器病統合情報センター センター長
竹上 未紗 国立循環器病研究センター 予防医学・疫学情報部 室長
中尾 葉子 国立循環器病研究センター 予防医学・疫学情報部 上級研究員